55の手習い

55歳を過ぎた筆者が色んな事に挑戦する日誌です

悔い無き人生

四国に住む父親が亡くなったので、実家に帰ってきました。

脳梗塞で倒れ、最後は要介護5で施設で点滴だけで1ヵ月近くを過ごしていたためか、葬儀社の部屋に安置されていた父親の顔は、もう骨だけになっていました。
本人が宗教的な儀式は一切受け入れないと言っていたので、一般的な葬儀は一切やらず、家族だけでひっそり見送ってきました。
見たことも無いくらいシンプルで簡便な葬儀を経て、父親は煙になりました。
母は号泣していましたが、私は不思議と涙は出ず、少し茫然と見送りました。

父は、母親と二人で生活していました。
世間の常識に囚われないというか、常識を斜めに見ていたような人で、さらに天邪鬼な人でした。
また亭主関白で、子供には厳しく、言い出したら絶対に折れない人でした。
それは晩年も変わらなかったように思います。

人付き合いは一切しませんでしたし、家にかかってきた電話にすら出たこともありません。
台所に立つことも無いし、洗濯も家の片付けもしたことが無い人でした。
ガンで胃を全摘出しても煙草をやめず、運動もせずに一日中自分の部屋で何か調べものや書き物をしていました。
父の部屋には残した文章が山のように積まれています。

貯金も財産もありませんが、借金もありません。持ち家も持たず、モノには拘らず。
ある意味、自分の思った通りに、好き勝手に80年生きてきた人でした。
そういう意味では、悔いの無い人生だったのだと思います。
息子の私も、早くに自立して孫の顔を見せられたし、悔い無く見送れたと思います。

墓は不要と言っていたので、いま遺骨は母親の手元にありますが、ずっとこのままというわけにも行きません。
最後の親孝行として、墓を立ててやろうと思っています。

 

♪今日のBGM
Stairway To Heaven / Led Zeppelin
Led Zeppelin - Stairway to Heaven Live - YouTube

Heart - Stairway to Heaven Led Zeppelin - Kennedy Center Honors HD - YouTube

 Zepの名曲は鎮魂歌のように聞こえます。